京都の紅葉をじっくりと観たのは、初めてだった。庭園は人間が人工的に造りだしたものである。しかし、人工的に造った自然美がこれほど美しいものなのか。見て美しいということを超えて美しいことを感じる、美しいという何かのエネルギーが私にそう思わせているとしか思えなかった。
残念ながら今年はすでに見ごろは終了してしまったが、いつかは一度、観て頂きたい、詩仙堂丈山寺。
夕暮れのししおどし、僧都(そうず)。
言葉はいらない。まずは、聞いて頂きたい。ジーンとくる・・。
住職の言われる、「来てよかった」「心が洗われた」と思って頂ける環境づくりに努めたいという気持ち。まさに、それを味わうことができるお寺である。
またここは、以前チャールズ国王が皇太子時代に故ダイアナ妃と訪れた寺でもあり、美しいところがたくさんあるので、紹介していきたい。
もともと詩仙堂は、石川丈山(いしかわ じょうざん)が59歳のとき、江戸時代、1641年(寛永18年)に建てた山荘跡で現在は曹洞宗の寺院となっている。石川丈山は余生の30年間、ずっとここに住んでいたかは分からないが、ここなら永く住めるのも分かる気がする。
入口、小有洞(しょうゆうどう)
入口の門をくぐっても、いきなりお庭ではなく、まずは、石段が出迎えてくれる。お庭への期待も膨らむ。
玄関前の小さなお庭
竹林を通り、受付を済ませると老梅関という門が現れる。それをくぐるとようやく、正面に凹凸窠(おうとつか)という建物、玄関前の小さなお庭。
左側の「蜂腰」という玄関から建物に入って、詩仙の間へ向かう。
詩仙の間から見た唐様庭園
凹凸窠の詩仙の間には、詩仙堂の由来のもととなる中国の36人の詩人の肖像画と石川丈山の詩が飾られている。因みに、凹凸窠とは、デコボコした土地に建てた住居という意味である。
サツキ(皐月)の奥側の地形を少し谷にすることで、奥の紅葉の根本が見えないように工夫している。
美しい紅葉をご覧いただきたい。
裏庭へ抜けて、回遊式庭園へ
裏庭へ抜けて、回遊式庭園へ行く間に見た、小さい秋。
蒙昧(もうまい)を洗い流すという意味の滝。おそらく知識が不十分や曖昧であることを避けるという意味と思われるが、はっきりした意味は分からなかった。
回遊式庭園
裏庭から回って猟芸巣という読書室の前から回遊式庭園の方に出てみると、さらに深い秋や奥深さを楽しむことができる。
散紅葉の絨毯が敷いてあった。
凹凸窠の方を振り返ると
詩仙堂 詳細情報
寺院名 | 詩仙堂丈山寺 |
住所 | 〒606-8154 京都市左京区一乗寺門口町27番地 |
電話番号 | 075-781-2954 |
アクセス | ◇市バス「一乗寺下り松町」下車 徒歩約7分 ●京都駅 四条烏丸 河原町五条 四条河原町 三条駅より 5系統 銀閣寺・岩倉行 ●地下鉄烏丸線 北大路駅より 北8系統 修学院道・松ヶ崎行 ●地下鉄烏丸線 松ヶ崎駅より 北8系統 高野・北大路バスターミナル行 ◇叡山電車「一乗寺駅」下車 徒歩約15分 |
開門時間 | 午前9時~午後5時 (受付終了午後4時45分) |
拝観休止日 | 5月23日 |
拝観料 | 大人 500円 |
HP URL | 詩仙堂丈山寺について | 詩仙堂丈山寺 (kyoto-shisendo.net) |
私の場合、心しずかになったというよりは、紅葉を観て心が高揚してしまった。
自分を知り過度に麗美過ぎず、また分かりやすく、その上で常に整った清潔感があるので、この美しさが感じられるのかも知れない。
美しい春の皐月、夏の緑(蝉とししおどし)、秋の紅葉、冬の真白な雪景色の詩仙堂を観て何を思うのか、是非また行きたい。
詩仙堂について詳しく知りたい方は、以下のブログを参考にされるとよい。(私も参考にさせてもらった)
『情緒纏綿 洛北錦秋紀行①一乗寺 中谷・詩仙堂編 』京都の旅行記・ブログ by montsaintmichelさん【フォートラベル】 (4travel.jp)