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あなたは、何歳まで生きると思いますか? 【あなたの腎臓は答えを知っている】

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突然ですが、何が原因で老化すると思いますか?

それは、身体の中のリンの量と腎臓のはたらきで決まるという考えがあります。実際、老化が加速したクロトー遺伝子が不足したマウスにリンの少ない餌を与え続けると、老化症状がピタリと止まる現象が現れました。

このクロトー遺伝子とは、体内の余分なリンを腎臓から体外へ排出するのに必要な遺伝子です。このブログで、リンと腎臓の関係を紹介していきます。

今回は、腎臓とリンの関係から老化の仕組みを研究されている、自治医科大学分子病態研究センター教授の黒尾 誠さんが書かれた「腎臓が寿命を決める」を少しアレンジして紹介します。

からだ仕組みに興味のある方、寿命に対するユニークな視点に興味のある方、健康について情報収集されている方など、読んでみて下さい。あなたのお宝がひとつ増えると思います。

腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する (幻冬舎新書)

寿命は何で決まる?

こんなことを聞かれたことがありますか?「動物の寿命は、ネズミなどの体の小さなものは短く、ゾウの体の大きなものの寿命は長い」。例外もあって体の小さなハダカネズミの寿命は30年近くになります。何か他の要因が寿命に関係しているのでは、と言われており、血液中のリンの濃度の順番に並べると綺麗に寿命と関連して並びます。

リンて何っすか?

我々は、リンをリン酸カルシウムの形で、骨の中に蓄えます。細胞のひとつひとつにもリンは使われていますし、体内エネルギーを作り出すATPサイクルにもリンは使われます。しかし、これはリンの20%が使われるのみ。残りの80%は、骨の維持のために使われているのです。その骨は、リンとカルシウムが結合した、リン酸カルシウムという高い強度を持った素材になります

これは、大昔、比較的敵の少ない陸上に上がって生活できるよう、その重力に負けずに活動できるよう硬く丈夫な骨で支える必要があったからこのリン酸カルシウムを体内に作ったと考えられています

リンは殆どの食事含まれる。

リンが含まれる食物はというと、じつは、殆どの食物にリンは含まれます。ただ、自然由来の肉や魚、特に植物は体内に吸収される割合が小さく食品添加物が含まれる食品は含まれるリンのほとんどが吸収されます

個別の食品は、リンの多い食品と、食品のリンの含有量一覧表 を参照下さい。
https://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/phosphorus.html

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リンを取り過ぎたらどうなるの?

骨の一部、骨作りに必要なら、たくさん摂取したくなるところですが、じつは、リンは骨の中に留まっている分には問題ありませんが、血液中に溶けだすとマズいことになります

カルシウムと結合したリンが血液の中に溶けだし、さらにタンパク質と結合してリン酸カルシウムのコロイド粒子(CPP)となり、血液中を漂い、これが固まると石灰化と呼ばれ血管が硬くもろくなったり、これが原因で脳卒中、狭心症、心筋梗塞の原因にもなります。(コレストロールなどの脂が血管壁に溜って道を狭める、血液ドロドロとは違うパターン)

取り過ぎたらどうなるの?(腎臓の役割)

そこで、取り過ぎたリンを体外へ排出する器官があります。それは、腎臓です。

腎臓は血液をろ過して、尿を作ります。そのとき、不要なものを濾しとり、その後、栄養分は再吸収されます。リンもこの時、濾しとられ体外へ排出されます。下記サイトで、分かりやすい図示がありましたので、参考にしました。ネフロン、糸球体、尿細管など参考にして下さい。

【慢性腎臓病(CKD)とは】主な原因と血液検査・尿検査で注意したい項目 - 特選街web (tokusengai.com)

<ネフロンの働き>
「ネフロン」とはギリシャ語で腎臓を意味し、腎臓 nephrosを構成する繰り返し単位、最小単位だからネフロンだそうです。
糸球体と呼ばれる小さい穴の開いた毛細血管で構成された部分で、大きな血球や蛋白質は通しませんが、血漿や体内の毒素などは通過します。但し、ろ過された原尿の99%は再度体内に吸収され、尿になるのは1%だけです。
また、ネフロン全体の6~10%のみ常時稼働で、100万個あると言われるネフロンの殆ど使っている訳ではない状態です。

図示により、イメージが湧きやすく書かれています。
ネフロンのしくみ - からだと病気のしくみ図鑑 - goo辞書

腎臓の働きが悪くなったらどうなるの?

腎臓は先ほどのように、取り過ぎたリンなど不要なものを濾しとり、体外へ排出するのですが、取り過ぎると濾しきれず血液中にリンが蓄積することになります。

腎臓は、たくさん摂取したリンを体外に排出するメカニズムを持っていますが、その処理が追い付かない状態になると、先ほどのように、CPP(リン酸カルシウムのコロイド粒子)というリン酸カルシウムがタンパク質と結合した状態で血液中を漂う原因となってしまいます

さらに、その排出する仕組みで使われるネフロンが年齢と共にドンドン減少していくことで、数も減り、それに伴い処理能力も減っていきますが、再生しない現実があります。(減少するメカニズムは分かっていません)数で言うと、20代で100万個(両側で200万個)あるネフロンが60、70代になると半分までの数になってしまいます。実際、常時使っているのは、6~10%と言われています。

腎臓の機能が低下していくと、慢性腎臓病 ⇒ 腎不全 ⇒ 透析治療となって行きます。

その症状はいつ現れるかというと、腎臓も肝臓や膵臓のように、慢性腎臓病は病気がかなり進行しないと症状が現れません。主な症状はだるさ、食欲不振、吐き気、むくみ・高血圧などです。

初期の慢性腎臓病(CKD)に関するサイトです。

慢性腎臓病(CKD)って?|知ろう。ふせごう。慢性腎臓病(CKD) (kyowakirin.co.jp)

腎機能が廃絶したとき、腎臓の代わりをする治療を施します。それが、人工透析です。

リンと寿命の関係

腎臓の役割や機能が低下すると困ることになることがお分かり頂けたと思いますが、医師の実感として、慢性腎臓病の患者さんを治療していると、人工透析を受けている患者さんの老化が進みやすいのでは?と思われているそうです。

マウスで発見されたリンの摂取と寿命の関係

黒尾 誠さんがマウスの実験している時に偶然、老化が早いマウスが生まれたそうです。

そして、老化したマウスを調べてみると、クロトー遺伝子という遺伝子が欠損していました。じつはクロトー遺伝子の9割以上が腎臓に存在しており、クロトー遺伝子から作り出されるクロトーたんぱくは、あるホルモン(FGF23)の指示を受けて、体内でリンが過剰になると腎臓からリンを体外に排出する働きがあるのです。つまり、このクロトー遺伝子が欠損しているということは腎臓からリンを体外に排出する働きができないということです。

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また、先ほどのCPPの関係で、リンが体内に過剰に増えてしまうと、血管の石灰化が起こります。血管の石灰化は、動脈硬化(硬くもろくなってしまう)を引き起こします。他にも、リンが体内に過剰に増えてしまう、血中のリン濃度が高い人は、低い人に比べて7割も死亡率が高くなるといわれています

さらにマウスの実験で、高リン食を与えると腎臓からリンを体外に排出する働きのあるクロトーたんぱくが減少し低リン食を与えると、もとに戻ることがわかりました。今後、食事でとったリンの吸収を抑える薬が開発されれば、つらい食事制限が不要になるかもしれません。

寿命を延ばすには?

今までの情報から考えて、どうすれば寿命を延ばせるかというと、リンを必要以上に摂取しないことが一番簡単な長寿の秘訣ということになります。特に、吸収率の高い食品添加物に含まれる無機リンを摂取しないようにするということになります。ただ、全く摂取しないということでは、我々の生活が成り立たなくなってしまうので、リンの接種が必要な量を認識して、必要以上取らないように、若しくは、1週間などある期間で、調整するなどという工夫が必要であり、メリハリをつけた生活を楽しんでみるては如何でしょうか

他にも、無重力の宇宙へ行くとスグに骨が溶け出して細くなってしまうことから、運動しないのもリンが体内に溶けだす原因となってしまうので、出来るだけ、骨に刺激を与え続ける必要もあります

どのくらいまで摂取できる?

著者によると、日本くらいして普通に生活している人で、「食品から入るリン」と「添加物から入るリン」を合わせて必要量のだいたい3倍くらいということです。私もざっくり計算してみましたが、1日の成人男子目安量:1000mgに対してだいたい1食で、1000mg程度になりました。

 食物別のリン含有量一覧です。
 https://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/phosphorus.html
 https://dialysis.medipress.jp/doctor_qas/36

おまけ :健康診断の値〈クレアチニン・eGFR〉とは

健康診断結果をよく見ると、腎機能の検査項目でクレアチニンeGFRという項目があります。これが、腎臓の機能の低下度合いが分かる指標だったのです。

クレアチニンは血液中(血清)の蛋白の老廃物の量で腎臓障害の程度を調べますeGFRはその値をもとに身長・体重・年齢などから計算値を求め、その値から区分表を使ってどの程度腎臓の機能が低下しているかを測り治療の目安にします

やはり、老化を促進するリンを排出する仕組みで使われるネフロンが年齢と共にドンドン減少していくことからも、年齢が高くなると、リンの多い食事は控えた方がよさそうです。リンの保護作用として注目されているものマグネシウムがあり、大阪大学で研究されています。

マグネシウムは非糖尿病性慢性腎臓病患におけるリンと腎不全進行リスクの関連を修飾する | 大阪大学腎臓内科 (osaka-u.ac.jp)

因みに、マグネシウムの多い食物は、あおさ海藻類なまこなどです。

 https://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/magnesium.html

他にも東京大学の研究で、最初に記載した、変異マウスからクロトーたんぱくを過剰に発現させてインスリンの作用を抑制すると、長生きすることを明らかにしました。このクロトーたんぱくは老化抑制ホルモンとして働くと考えられます。
ホルモンであれば、注射や内服できる可能性があります。ホルモンで老化を抑えることができるかも知れません。

研究成果「抗老化ホルモンKlotho(クロトー)による寿命の延長とその分子機構の解明」 | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)

莫妄想 (まくもうぞう)

今は情報が溢れている状態ですが、それらの結論は結局、地道な内容であったり、当たり前のことだったりします。(もちろん、今までと全く違う視点だったり、はっとさせられる情報もたくさんあります)不安なことがあれば、情報にもう少し踏み込んで、どういうメカニズムでそれが起こるのか、原因はいったい何なのか、考えてみたいです。禅の言葉に莫妄想(まくもうぞう)という言葉があります。「妄想」とは、過去を後悔したり、未来に不安を感じることだそうです。今の自分にとって、何が不安なのか、冷静に考えてみることで、こういうことなんか、と分かるかも知れないことを信じて。つづく。

リンと腎臓の関係、また寿命との関係をもっと詳しく知りたい方は是非一度、書籍をチェックしてみて下さい。このブログを読んで頂けていましたら、さらに分かりやすいと思います。また、黒尾さんの論文もネットに出ていますので、そちらを調べてみるのも面白いと思います。

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